この品種はユキツバキと茶の自然交配雑種で大変珍しいものです。
花や葉の特徴がユキツバキと茶の中間的形質をしており、茶から検出されるカフェインが茎葉に含まれています。
樹高3m、主幹がなく株立ちで、樹齢は100年以上と推定されます。
花経は4cmほどで5~6弁の一重平咲き、淡いピンク色を呈し、当地では秋と翌春にかれんな花が咲きます。
ユキツバキと茶は属が異なり、また、ユキツバキは春咲き、茶は秋咲きなので自然の状態で交配することはあり得ないと考えられていました。
しかし、本来11月末から12月頃に咲くべき茶の花が、当市のように雪の多いところでは、雪中に埋もれたまま冬を越し、開花が遅れ、春に咲いて付近にあったユキツバキと偶然交配したのではないかと思われます。
また、早咲きの秋咲き性ユキツバキと茶の開花期が一致することから、自然交雑によるものとも考えられます。
品種名の炉開きは、茶道で5月に風炉を閉じ、11月に炉を開く行事「炉開き」の頃に花が満開になるのにちなんで命名されたもので、学術的にも貴重な原木です。
<長岡市指定文化財 天然記念物>