上杉謙信公ゆかりの品です。
謙信公が閲兵や儀式の時に兜に着用したものです。
大正4年の大典記念事業として謙信公祭が催され、この時、米沢の上杉家より謙信の位牌と共にこの兜の前立が贈られました。
箱書には「飯綱権現御建物」とあります。疾走する霊狐に迦楼羅(かるら)姿の飯綱権現が前向きに乗っています。霊狐は真鍮、像は青銅の打物に金メッキをした総体黄金色の絢爛たるもので謙信の好みがうかがえます。
謙信は川中島の出陣に、しばしば飯綱山の麓を通過しましたが、そこに祭られている飯綱権現に全軍の勝利と領民の安泰を祈願したとのことです。
こうして飯綱権現の御姿を兜の前立として頭上に載くようになったのではないでしょうか。
<長岡市指定文化財>