最終更新日 2017年8月15日
従来、美術品等は時の経過によりその価値の減少しない資産として、固定資産税の課税客体ではありませんでしたが、平成26年12月19日付けの法人税基本通達及び所得税基本通達の一部改正により、法人税及び所得税の取扱いにおいて減価償却資産に該当するものは、固定資産税(償却資産)についても申告が必要となりました。
法人税基本通達7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)
「時の経過によりその価値の減少しない資産」は減価償却資産に該当しないこととされているが、次に掲げる美術品等は「時の経過によりその価値の減少しない資産」として取り扱う。
(1)古美術書、古文書、出土品、遺物等のように歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
(2)(1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上であるもの(時の経過によりその価値が減少することが明らかなものを除く。)
(注)1 時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。
(注)2 取得価額が1点100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)は減価償却資産として取り扱う。
経過的取扱い…改正通達の適用時期
この法令解釈通達による改正後の取扱いは、平成27年1月1日以後に取得する美術品等について適用し、同日前に取得をした美術品等については、なお従前の例による。ただし、法人が、平成27年1月1日前に取得をした美術品等(この法令解釈通達により減価償却資産とされるもので、かつ、同日以後最初に開始する事業年度(以下「適用年度」という。)において事業の用に供しているものに限る。)について、適用初年度から減価償却資産に該当するものとしている場合には、これを認める。
(注) ただし書の取扱いにより減価償却資産に該当するものとしている場合における減価償却に関する規定(措置法第67条の5《中小企業者等の少額減価償却資産の取得価格の損金算入の特例》の規定を含む。)の適用に当たっては、当該減価償却資産を適用初年度開始の日において取得をし、かつ、事業の用に供したものとすることができる。
(1)申告対象資産
ア 取得価額が100万円未満であるもの(時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなものを除く。)
イ 取得価額が100万円以上であって時の経過により価値の減少することが明らかなもの
(2)平成27年1月1日以前に取得した美術品等の課税年度及び過年度への遡及について
平成27年1月1日以前に取得した美術品等を減価償却資産として初めて申告される場合の課税年度は以下のとおりとなります。なお、地方税法第17条の5第5項の規定に基づき、現年度だけではなく、本来の課税年度まで遡及して固定資産税をお願いすることとなります。
取得日 | 課税年度 | 評価額算出方法 | |
---|---|---|---|
平成27年1月1日以前 | 個人事業者及び 12月決算法人 |
平成27年度 | 取得価額×(1-減価率/2)×(1-減価率)n-1 n:その償却資産を取得した年から当該年度までの経過年数 |
上記以外 | 平成28年度 |
このページの担当