最終更新日 2023年12月27日
個人が土地や建物を売ったときは、給与所得など他の所得とは分離して特別の税率で税額計算を行います。また、売った土地や建物の所有期間(譲渡した年の1月1日を基準に判定)により、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に区分されます。
計算式:課税譲渡所得金額 × 税率 = 税額
※課税譲渡所得金額=収入金額-取得費・譲渡費用-特別控除額
短期譲渡所得 | その土地や建物を取得した日の翌日から譲渡した年の1月1日までの所有期間が5年以下のとき |
---|---|
長期譲渡所得 | その土地や建物を取得した日の翌日から譲渡した年の1月1日までの所有期間が5年を超えるとき |
税率
区分 | 課税譲渡所得金額 | 市民税 | 県民税 |
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長期譲渡所得(一般) | 3.0% | 2.0% | |
優良住宅地等にかかる長期譲渡所得 | 2,000万円以下 | 2.4% | 1.6% |
優良住宅地等にかかる長期譲渡所得 | 2,000万円超 | 3.0% | 2.0% |
居住用財産にかかる長期譲渡所得 | 6,000万円以下 | 2.4% | 1.6% |
居住用財産にかかる長期譲渡所得 | 6,000万円超 | 3.0% | 2.0% |
短期譲渡所得(一般) | 5.4% | 3.6% | |
短期譲渡所得(軽減税率) 国又は地方公共団体に譲渡した場合 |
3.0% | 2.0% |
特別控除額
土地建物等の譲渡があった場合は、一定の条件をもとに次の表の特別控除額がそれぞれの譲渡所得から差し引かれます。
譲渡の理由 | 特別控除額 |
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収用対象事業のために土地・建物等を譲渡した場合 | 5,000万円 |
居住用財産(自分の住んでいる家屋や敷地など)を譲渡した場合 | 3,000万円 |
国、地方公共団体、都市基盤整備公団が行う土地区画整理事業のために土地等を譲渡した場合 | 2,000万円 |
地方公共団体等の行う特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合 | 1,500万円 |
農地保有の合理化等の農地等を譲渡した場合 | 800万円 |
株式等の譲渡所得については、他の所得と分離して税額計算を行います。
源泉徴収を選択した特定口座内の上場株式等の譲渡所得については、所得税の源泉徴収とあわせて住民税が特別徴収(5%)されますので、申告の必要はありませんが申告することもできます。
一般的な計算式
上場株式等の場合 | 課税譲渡所得金額×税率(市民税3%、県民税2%)=税額 |
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一般上場株式等の場合 | 課税譲渡所得金額×税率(市民税3%、県民税2%)=税額 |
※課税譲渡所得金額 = 収入金額 - 取得費・譲渡等費用
上場株式等に係る配当所得(大口株主等を除く)を申告する場合(※1)は、総合課税か申告分離課税のいずれかを選択できます。
配当控除 | 上場株式等に係る譲渡損失との損益通算 | |
---|---|---|
総合課税を選択した場合 | 適用となる | 適用とならない |
申告分離課税を選択した場合 | 適用とならない | 適用となる |
※1 所得税の源泉徴収とあわせて住民税が特別徴収(5%)されますので、個人住民税の申告の必要はありませんが、申告することもできます。
※2 住民税が特別徴収されない未公開株式等は、住民税の申告が必要です。
また、平成29年4月1日から、上場株式等の配当所得等について、所得税と異なる課税方式を選択できることが明確化されました。
このことにより、例えば、所得税では配当所得を総合課税で申告し、住民税では配当所得を申告しないという選択も可能です。ただし、異なる課税方式を選択する場合には、確定申告をしていても市県民税申告書の提出が必要です。また、納税通知書の到達後は課税方式を変更できません。詳しくは担当課へお尋ねください。
令和3年分から、個人市民税・県民税において特定配当等及び特定株式譲渡所得金額に係る所得の全部について、源泉分離課税(申告不要)とする場合に、原則として確定申告書の提出のみで申告手続きが完結できるよう、確定申告書第二表に項目が追加されました。
くわしくはこちらをご覧ください。
令和5年分から、上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等について、所得税と個人住民税の課税方式を一致させることとなり、個人住民税において所得税と異なる課税方式を選択することができなくなります。
これにより、上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等を確定申告すると、これらは個人住民税においても申告したこととなります。このため、あらためて個人住民税の申告をする必要はありません。
申告された上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等については、総所得金額等や合計所得金額に含まれますので、扶養控除や個人住民税の非課税判定の他、国民健康保険料等各種保険料の算定や、各種行政サービスに影響がある可能性がありますのでご注意ください。
その他、金融・証券税制に係る税制改正等はこちらをご覧ください。
○平成28年1月1日から「特定口座」に公社債等を受け入れることができます!(国税庁)
○平成28年からの個人の方が上場株式等を保有・譲渡した場合の金融・証券税制について(国税庁)
○個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の平成25年度税制改正のあらまし(国税庁)
○個人の方が株式等や土地・建物等を譲渡した場合の平成27年度税制改正のあらまし(国税庁)
退職所得に係る個人市・県民税は、他の所得とは区別し、退職金等の支払いの際に、支払者が税額を計算し、支払金額からその税額を徴収して納入することとされています。(地方税法第50条の5、第328条の5)
計算式は次のとおりです。
退職所得金額の計算
①法人役員等で勤続年数5年以下の場合
退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額 = 退職所得金額(千円未満切捨て)
【法人役員等とは・・・】
[1] 法人税法第2条第15号に規定する役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人など)
[2] 国会議員及び地方公共団体の議会の議員
[3] 国家公務員及び地方公務員
②法人役員等以外で勤続年数5年以下の場合(令和4年1月1日以降の支払分から適用)
[1] (収入金額 - 退職所得控除額)≦ 300万円 の場合
(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得金額(千円未満切捨て)
[2](収入金額 - 退職所得控除額)> 300万円 の場合
150万円 + { 収入金額 -(300万円 + 退職所得控除額 )}= 退職所得金額(千円未満切捨て)
③勤続年数が5年を超える場合
(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得金額(千円未満切捨て)
●退職所得控除額
勤続年数(1年未満は切上げ) | 退職所得控除額 |
---|---|
20年以下の場合 | 40万円×勤続年数(最低80万円) |
20年を超える場合 | 800万円+70万円×(勤続年数-20年) |
退職所得に係る市・県民税額の計算
退職所得金額 × 市民税率(6%) = 特別徴収すべき市民税額(百円未満切捨て)
退職所得金額 × 県民税率(4%) = 特別徴収すべき県民税額(百円未満切捨て)
納入の方法
退職手当などの支払いを受ける日の属する年の1月1日現在における退職者の住所所在地の市町村に納入してください。
納入期限
退職所得に係る個人市・県民税を特別徴収した月の翌月10日まで
※納入が遅れると延滞金等が発生する場合がありますのでご注意ください。
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